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邦画「十二人の死にたい子どもたち」(2019年)感想レビュー

死にたいけど、
殺されるのはイヤ。

  • 2019年公開
  • ミステリー
  • 堤幸彦監督
  • 倉持裕脚本、冲方丁原作
  • キャスト:杉咲花、新田真剣佑

『十二人の死にたい子どもたち』概要

ネットで集まった12人の死にたい未成年たちは、安楽死を求め廃病院に集合する。

ところが、密室には生温かい死体があり、13人となったのだった。

この13人目の死体は一体だれ?犯人はこの12人の誰かなのか?

この13人目をめぐり、全員がお互いに疑心暗鬼となる。

彼らは死ねるのか、それとも殺されるのか?の密室ミステリー

登場人物

サトシ(高杉真宙)

1番。この集まりを主催した管理人。この廃病院は昔父親が経営していた。
母が兄と心中未遂、父親は自殺。死がどういうものか知りたいのが理由。

ケンイチ(渕野右登)

2番。ケンちゃんと呼ばれる。空気が読めず少し周りから浮いている。
中学からずっといじめられているので死にたがっている。

ミツエ(古川琴音)

3番。少し方言のあるゴスロリファッションの少女。
自分の推していたロックバンド歌手が自殺したから自分もというのが理由。

リョウコ(橋本環奈)

4番。人気タレントで芸名は秋川リコ。最初はマスクと帽子で顔を隠している。
大人たちに作られた自分を嫌悪。まやかしの自分を葬り去りたいのが理由。

シンジロウ(新田真剣佑)

5番。親が警察官で推理好き。12人の中で一番鋭く推理している。
病気を苦に死にたがっている。

メイコ(黒島結菜)

6番。地味な印象。ファザーコンプレックスを持っている。
自分に保険をかけて、父の倒産しかかっている会社を救う事で一生自分を忘れさせないようにしたい

アンリ(杉咲花)

7番。全身黒ずくめの衣装。話し合いでは結構主導権を握る。
死を選択したい、生れてきた事への抗議が理由。

タカヒロ(萩原利久)

8番。吃音症を患っており、常におどおどしている。
どうやら精神を安定させようと薬を多用しているのが原因らしい。

ノブオ(北村匠海)

9番。過去にはいじめられていた。
いじめの主犯格を殺害しているが、事故で処理されこれ以上黙っているのが嫌になったため。

セイゴ(坂東龍汰)

10番。金髪でヤンキー風。一番単細胞だが、心優しい一面もある。
母親が自分に生命保険をかけていて殺そうとしているから、自殺して保険金が入らないようにしたい。

マイ(古川愛)

11番。コギャル風。はきはきと物を言うが、難しい事は分からない。
援助交際をやっていて、病気にかかったため。不治の病と勘違いしている。

ユキ(竹内愛紗)

12番。一番大人しい。左手が不自由で重いものが持てない。
交通事故の後遺症と精神面で苦しんでいる。

ゼロバン(とまん)

0番。名前はない。
みんなが集まった時にすでに死体としてベッドに寝かされていた。

『十二人の死にたい子どもたち』見どころ

確かに全員怪しく見える

映画が始まってしばらくはずっと後ろ姿や足元だけが画面に映るので、不気味な雰囲気が漂います。
みんなが集まるとベッドにまだ温かい死体が置かれている。
集まったみんなはここに来るまでに力尽きたのかと思いますが
最後の一人が現れ13人となります。

この時点で、このゼロ番は一体何者なのか?
そして、誰が彼を運んだのか?彼は病気で力尽きたのか、それとも殺されたのか?
色んな謎が押し寄せてきます。

主催者のサトシも怪しいし、早く到着している人も怪しいし、
やたら実行を急かしているのも怪しい。
結局、一生懸命推理しているシンジロウ以外全員怪しく見えてしまいました。

みんなの死にたい理由

それぞれバラバラです。
他人から見たら軽い理由でも、本人たちにとっては重大な事なんでしょう。

これは過去に死にたいと思った事がある人なら
敏感に感じ取れるのかもしれない。

個人的には一番悲惨と思ったのは10番のセイゴでしょうか。
母親に殺されそうになっていて逃げることも出来ないらしいから。
原作読んだらもっと緊迫した感じで書かれているのかもしれないです。

しかし、みんな他人の死ぬ理由に対しては冷静に分析してますね。
自分のこととなるとやはり見えなくなるみたいです。
結局自分の価値は自分で決めたいものなんですね。

どんでん返し系

ラストの方でのどんでん返しがありました。
最後の最後にももう1度どんでん返しです。

そこで主催者が最も主催者らしい事をしたのが良かったかな。
ミステリーとしてはあまり濃厚な感じではなくライトです。

ただ、何人かはやっぱりと思い直している気がして仕方がない。
そういうラストまで入れられなかったのかな。
どちらにしろ賛否両論ありそうなラストでした。

「十二人の死にたい子どもたち」を見終わった感想

原作読んでいないけどミステリーとしては若干弱め。
途中まではミステリーぽかったんですが。

綺麗ごとがなかったのが良かったです。
ただ死にたいのに集まるというのが分からなかったですが
背中を押されないと思いきれないという心情なんでしょうか。

5人くらいならともかく
12人も集まったら自殺まで行かないだろうなと見る前に思ってしまいました。

個人的には真っ黒衣装のアンリと、ヤンキーのセイゴに頑張ってほしいな。
ラストは気に入りました。

小説原作

冲方 丁著。

天地明察を書かれた作家さんですね。

私は読んだことないのですが、こちらも映画化されています。

Amazonの商品説明には「思春期の煌めきと切なさが詰まった傑作」って書いてあるので原作はもう少し切ない雰囲気なのかもしれないです。

レビューもなかなかの高評価なので一度読んでみたい作品です。

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