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邦画「二重生活」(2016年)感想レビュー

理由なき尾行、はじめました。

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  • 2016年公開
  • サスペンス映画
  • 岸善幸監督
  • 小池真理子原作、岸善幸監督
  • キャスト:門脇麦、菅田将暉

岸善幸監督

「前科者」「ああ荒野」など

映画『二重生活』概要

しき

大学で課題を出されて尾行を始めたのがきっかけです

アニメーターの卓也と大学生の珠は同棲中。
ある日、珠は大学教授の篠原から課題をだされ、論文の為に近所に住む石坂を尾行していく。

尾行するうちに珠は石坂の秘密を知ってしまいます。
そしてとうとう尾行している事がバレてしまう。

登場人物

白石珠(門脇麦)

大学院の哲学科。
8歳で父親を亡くしていて少しファザコン。過去には父の友人を好きになったこともあり、今はなんとなく日々虚しく生きている。

石坂史郎(長谷川博己)

珠の近所に住む人。出版業界で編集者として働いている。
地主でお金持ち。近所ではセレブ一家として有名。子供が自転車に乗る練習に付き合うなどマイホームパパで携帯の待ち受けは娘。

鈴木卓也(菅田将暉)

ゲームデザイナー。
デザイン賞をとるほどの実力がある。結構鋭い面もあり、女性の嘘を見抜く。珠と同棲しているが会話はあまりない。

篠原教授(リリー・フランキー)

大学の教授。
学問一筋でやってきてて、独身で母親と暮らしている。学生に対して非情なところもある。

篠原の婚約者役(西田尚美)

劇団員。
篠原の婚約者役を引き受ける。篠原の母に紹介されて完璧に演じる。

石坂の愛人(篠原ゆき子)

美人だが激しい性格の持ち主で路上でキスも平気。

この映画の雰囲気

一言でいうと後味は悪いです!

ちわ

倦怠期を迎えた夫婦のような雰囲気の珠と卓也のシーンが前半多いです。

全体的に重苦しくジメっとした感じで、ダークな人間模様を描いた映画。

テーマは「秘密」「虚しさ」などでしょうか?見終わった後もスッキリしません。

なぜ珠は尾行を始めたのか

篠原教授から一人の人間を追いかけて、人間とは何なのか考察しろとアドバイスをされます。

ただ、対象と接触しないのがルールだと。

そして論文を少し書いて提出すると、篠原教授から褒められ辞められなくなってしまいます。

面白かった点


カメラがずっと珠の目線で追いかけます。

よって見ている方は珠になって視聴者が石坂を尾行しているような気分になっていきます。

そして徐々に石坂の色んな秘密が出てきて、石坂の正体を突き止めるような妙な感覚に陥りました。

個人的に思う一番悲惨な登場人物

しき

実は登場人物のほとんどが悲惨なわけですが・・・

誰もがうらやむ夫婦円満なセレブ妻だった石坂の妻も気の毒ですが、やはり一番気の毒なのは篠原教授の妻のフリをした西田尚美演じる女です。

幸せそうな登場人物は誰一人いませんでしたが、一応、みんな表向きは不幸ではないです。

珠や卓也はまだ若いし未来があります。しかも卓也はアニメーターでは賞を取るほどの実力の持ち主。

石坂家も色々あっても元に戻るでしょう。

夫はちゃんと仕事持ってるし、可愛い娘もいるし。家持ちでお金持ちならその辺は安泰かと。

篠原教授はネタバレになるので詳しくは言えませんが世間的には教授です。

しかし西田尚美演じる女は悲惨だと思っています。

劇団に入ってますが観客十何人というショボさです。しかも、芝居が終わった後、夜一人で自転車で帰ります。

年齢的にも役者として成功するのは不可能に近いでしょう。アルバイトをするあたりお金もなさそうです。

頼まれて妻の役を引き受けますが、役に入り込みたいという理由で手作り弁当を作ってきます。

この辺り本当にまじめな性格なんでしょう。

教授への態度見てると性格もすごく良さそうなのが余計に可哀想に思いました。

感想

主役の門脇麦も良かったけど、リリーフランキーと西田尚美が良かったです。

見終わった後はどんよりとした気分になりました。

尾行するのはまだ分かるとしても、その対象者とああなってしまったのはちょっとよく分からなかったけど、卓也との同棲に疲れていた珠は自分も秘密を持って逃げたかったのかなと思いました。

ただ、石坂の「陳腐だな」ってセリフが酷かったです。

ラストもよく分からなかったけど、珠にだけ見えた幻と思うのが個人的に一番しっくりときたのでそう解釈しました。

一言でいうなら「結局人間は何かなんて誰にも分からない」です。

おすすめ映画

『二重生活』が気に入ったのならこちらの映画もおススメです。

「万引き家族」

カンヌ映画祭でも話題になった映画。

祖母の年金を頼りにボロ屋で暮らし、万引きを繰り返してる家族の話。

「パーマネント野ばら」

西原理恵子の漫画原作。

初めのどかな田舎の話かと思ったら、とても切ないお話になっています。

「八日目の蝉」

赤ん坊を誘拐して自分の子供として育てる主人公。

そこには間違いなく愛が存在していた。

PickUp

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