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邦画「マイ・ブロークン・マリコ」(2022)感想

あたしには正直、あんたしかいなかった。


KADOKAWA映画チャンネルより
  • 2020年公開
  • ヒューマンドラマ
  • タナダユキ監督
  • 向井康介、タナダユキ脚本、平庫ワカ原作
  • キャスト:永野芽郁、奈緒

映画「マイ・ブロークン・マリコ」概要

しき

トモヨの強さに感動する

主人公のシイノトモヨは食堂のテレビで親友の死を知る。
親友のマリコが自殺したのだった。
マリコとは幼馴染で親友のトモヨはマリコの悲惨な家庭環境や、その後のマリコのろくでもない男性遍歴などを知っていたのだった。
トモヨはマリコの実家に行き虐待親から遺骨を奪い、マリコが行きたいと言ってた海に遺骨を抱いて向かうのだった。

登場人物

シイノトモヨ

通称シイちゃん。
ブラック企業に勤めるOL

イカガワマリコ

トモヨの親友。
悲惨な家庭環境で育ち、何度もトモヨに助けられる。飛び降り自殺で死亡。

マキオ

トモヨが旅先で出会った男性。
鞄を盗まれたトモヨに5000円貸す。

「マイ・ブロークン・マリコ」見どころ

遺骨を抱えてマリコの行きたかったところへ一人で向かうトモヨ

二人の深い友情

この映画を見終わって一番最初の感想は羨ましいでした。
もちろんマリコが死を選んでしまったのは悲しい出来事なんですが、トモヨとマリコの友情が羨ましかったです。

ブラック企業に勤めるトモヨですが結構強い女性で、マリコは女性的でトモヨは男性的です。
それを表したいのかトモヨはヘビースモーカーでもあります。
マリコは男性に依存していて、DVをされるマリコを心配して、トモヨが男を追い払ったりします。

しかし、マリコは精神を病んで依存体質になっており、離れられないようです。
マリコはトモヨに何も言わずに亡くなりました。
映画を見る限りトモヨがマリコの変化に気づかないのはちょっと納得いかなかったので、衝動的に死を選んでしまったのかなと思いました。

マリコのセリフ
「シイちゃんが本気で怒ってくれるのが嬉しい」

それとも散々マリコに迷惑かけてしまったから、最後は一人で逝きたかったのかなとも思いました。

印象的なシーンがいっぱい

個人的に自分が印象的だったのは下記のシーンです

  • 遺骨を抱いて窓からジャンプ。その後裸足でダッシュ
  • 父親に殴られたマリコが花火を断るシーン
  • 遺骨を使って痴漢を撃退
  • 駅でマキオと別れるシーン

現在と過去を行ったり来たりで回想シーンが多いです。
マリコが悲惨な回想シーンは胸が痛みますが、現在のシーンではトモヨの強い思いが描かれていました。
どのシーンも結構インパクトがあって、見終わった後に数週間で内容忘れる映画も多いですが、この映画はずっと覚えてるかもしれない。

多くを語らないのがいい!

マリコについては幼いころの生い立ちや男性遍歴などが描かれてますが
トモヨについてはブラック企業に勤めていて一人暮らしをしている事しか分かりません。

マリコは「私にはシイちゃんしかいないの」と言ってますが、トモヨも心の声で「私にもマリコしかいないのに」と言ってます。
これって共依存って言うんでしょうか。
きっと、トモヨはトモヨで色んな事があったんだと思いますが、この辺りを描いてないのが想像を掻き立てられていいです。
同じくマキオに関しても同様です。

マキオも過去に何かあったというセリフがありますが、何があったのかは語られません。
一見のんびり普通に生きてそうな人にも色んな過去があるんだろうなと思いました。

マキオのセリフ
「もういない人に会うには自分が生きているしかないんじゃないでしょうか」

このセリフジーンと来ました。原作も読みましたがこのセリフはやはり胸に沁みました。

マリコからの手紙

マリコからの手紙をマリコの義母から渡されます。
あの父親にこんな素敵な女性が後妻になったのが不思議ではありますが・・・。

この手紙を読んでトモヨは泣き笑いします。
何が書かれていたのかは原作でも映画でも明かされていません。

よって予想でしかありませんが
マリコとトモヨは子供の頃から頻繁におばあちゃんになっても一緒だよ。と言って二人で笑っていたので、恐らく予想。

「一緒におばあちゃんになれなくてごめんね。でも私天国で待ってるから、あの世で会ったら私は若いままだけど、シイちゃんはおばあちゃんだね」
みたいな感じの事が書かれていたのかなあと想像。

どちらにしろ、何が書いてあったかは原作者にしか分からないですよね。

映画と原作の違い

最初のシーンとラストのシーン。
途中もほぼ原作通りでした。雰囲気も。
映画に追加されていたのは、マキオが駅までマリコを見送ってお弁当を渡します。
そのシーンは原作にはなかったです。
ただこのシーンもせっかくマキオが見送ってるのに、トモヨはお弁当を貪っているという印象的なシーンで効果的だったと思います。

「マイ・ブロークン・マリコ」を見終わった感想

この映画話題になったのかな?
あんまり知らないけれど、自分の中では地味だけど★5つけたい映画でした。

トモヨの強さにすごく惹かれました。
上でも書いてますが多くを語らないのが想像を掻き立てられてすごくいいです。
マキオとの出会い方も変な出会いではあるけれどそこがまたいい。

マリコに関しては何とかならなかったのかと思わずにはいられませんが
精神が壊れてしまっているだろうから
もう何ともならなかったんだろうな。

最後にトモヨに何も言わずに死を選んだのは衝動だとは思うけど
マリコはもしかしたらトモヨにこれ以上迷惑かけたくないと思ったのかな。
多分、マリコが死にたいと口にしたらトモヨは何としてでも止めるでしょう。

見ず知らずの子にマリコを重ねて助けて骨折してしまうくらいです。
それが分かっていたから何も相談しなかったのかな。
何だかマリコってホスト狂いの女性みたいって思ってしまった。

きっとトモヨはマリコの分まで強く生きて幸せを掴みに行くのだと信じたいですね。

三行であらすじネタバレ

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自殺した親友のマリコの遺骨と旅をするトモヨ
家に戻るとマリコが書いた手紙が届いている
それを読んで泣き笑いします。何が書いてあったのかは描かれていません。

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