たかが、一つの音。たった、一つの音。
ピアノ調律師は心の声に寄り添い、探し求める。森の中を。
- 2018年公開
- ヒューマンドラマ
- 橋本光二郎監督
- 金子ありさ脚本、宮下奈都原作
- キャスト：山崎賢人、鈴木亮平
映画『羊と鋼の森』概要
原作は宮下奈都で第13回本屋大賞を受賞。
主人公は高校生の時にふとしたきっかけで調律師になることを決意します。
専門学校に通い、楽器店に就職して調律師として働き始まます。
そこで先輩や上司や顧客の人たち。調律師の仕事をしていろんな人と出会い成長していく話。
登場人物
外村直樹（山崎賢人）
新人調律師。
高校の時に板鳥宗一郎に出会い、調律師を目指す。板鳥と同じ楽器店に就職。
柳伸二（鈴木亮平）
調律師。
外村の先輩。色々と面倒を見る。
【江藤楽器店の顧客】
佐倉和音（上白石萌音）
ピアニスト。双子の姉。大人しい性格。
佐倉由仁（上白石萌歌）
ピアニスト。双子の妹。明るい性格。
上条真人（城田優）
ピアノバーのピアニスト。はっきり物を言う性格。
南隆志（森永悠希）
不幸な過去を持つ男性。古いピアノの調律を依頼する。
【江藤楽器店関連】
板鳥宗一郎（三浦友和）
調律師
外村の高校に調律に来て、その時外村と出会う。
秋野匡史（光石研）
調律師
元ピアニスト。耳がとてもいい。
【その他】
濱野絵里（仲里依紗）
柳の幼馴染で恋人。
正反対な性格の姉妹
原作を読んでいないので双子とは思わなかったです。
歳の近い姉妹だと勘違いしていた。
姉は控えめで妹は明るい性格。
しかし内心は妹の方は早くから姉には叶わないとコンプレックスを持ち続けていました。
調律師とは大変な仕事だと思いました。
ただ音を正確な位置に戻すのが仕事と思ったら、明るい音、のびやかな音、しっとりした音など引く人の求める音に合わせなければならない。
姉妹ともピアニストで希望する音がそれぞれ違う。
ここで外村は大いに悩んでしまいます。
とある事件が起こりますが、これって外村のせいじゃない気がしました。
あくまでも映画見た限りはです。
その後、外村は板鳥の調律からヒントを得て完璧な調律をします。
不幸な過去を持つ男性
ちょっと泣けました
物語は姉妹を中心に描かれてますが、個人的にはこの男性のシーンが一番印象的でした。
セリフはなかったですが、過去に辛いことがあったというのが映像だけで分かりました。
映像も埃っぽい室内にセピアな感じでジーンと来てしまった。
大きくなった犬が消えていくシーンはかなり良かった。
むしろこの人の物語のみで映画作ってほしかったくらい。
原作でどうなってるのか気になったので読んでみようと思います。
元ピアニストの調律師
新人の外村にも厳しい事を言う秋野です。
最初、ちょっと嫌な上司みたいに思ってました。
元ピアニスト。なぜ辞めたのかは耳が良かったから。
耳が良かったから、他のピアニストと自分の差が歴然と分かったという。
見極められたのは喜ぶべきことなのか、悲しむべきことなのか。
この登場人物も結構切なかったです。姉妹以上に。
素敵なピアノ曲の数々
それぞれのシーンで美しいピアノ曲が流れてきます。
実際に顧客たちがピアノを弾いているシーンも多かったです。
分かる範囲でピアノ曲とシーン一覧。
| ラヴェル「水の戯れ」 外村が佐倉家を訪れたときに姉の和音が弾いていた曲です |
| ショパン「蝶々」 その後、妹の由仁が帰宅してこの曲を弾きます |
| 亡き王女のためのパヴァーヌ 外村が調律師になりたいと家族に宣言した時に流れていました |
| ショパン「子犬のワルツ」 外村が初めて一人で調律の仕事をしたとき、不幸な過去を持つ男性がこの曲を弾きました |
| ショパン ピアノソナタ3番 姉の和音が懸命に練習していた曲です |
| ラヴェル「クープランの墓」 調律が終わって和音が弾こうとしたら、妹の由仁が帰宅してこの曲を弾きます |
| ベートーヴェン「熱情」第3楽章 板鳥がコンサートホールでプロのピアニストに調律しているときに流れました |
『羊と鋼の森』を見終わった感想
主役はピアノな気がします
主人公にも姉妹にもこれといった印象がないです。
そういう設定なのかもしれないですが。
ただ山崎賢人は感情をあまり表にださない、控えめな役が本当に似合うなあと感じました。
ピアノが好きなのでずっと素敵な音楽が流れているのが良かった。
dtvで視聴しましたが、上映時に映画館に行けばよかったと後悔しました。
要所要所のシーンも良かったです。
原作読んでいないのですが外村のお祖母さんがいつも森の定位置に座ってたのって何かある？
やたら強調していたから気になりました。
原作読めば解決するかな？
姉妹のピアノ演奏はてっきり吹き替えかと思ってたのですが、本当にご本人が弾いてるんですね。
とても上手で本当に驚きました。才能あって羨ましい！
後は北海道の美しい景色が堪能できます。